英語で「火薬」を意味するガンパウダーという不思議な名前は、すでにお茶愛好家の間ではお馴染みになっています。これは丸まった茶葉が特徴的な中国産の緑茶で、確かにどこか火薬を思わせる見た目です(ただ中国では、むしろ真珠のように見えるということで「平水珠茶」と呼んでいます)。
しかし、ガンパウダーが他の茶葉と異なる点はこれだけではありません。ガンパウダーで淹れたお茶は甘味と、独特な甘い香りが感じられ、ミント、スパイス、柑橘類とよく合います。そしてこのような組み合わせすべてを最初に試したのはモロッコの人々でした。
ガンパウダーはアフリカでは栽培されていませんが、これを使ったミントとシトラスの香りが効いたドリンクはモロッコの味となっています。伝統的には、家長が大切なお客様を迎えるとき、敬意を表して用意するものとされています。モロッコではこのお茶は火にかけて作りますが、ここでは本場の正統レシピを参考に、現代の事情を考慮してアレンジを加えたものもご紹介します。
モロッカンティー 500ml の材料
- ガンパウダー - 小さじ2杯
- フレッシュミント- 1束
- スパイス(シナモン、カルダモンシード、クローブ、スターアニス)
- レモンまたはライム
- 角砂糖 お好みの量(ハチミツで代用可)
ガラスの耐熱容器(または透明の大きめのティーポット)に、ガンパウダーの茶葉を入れ、熱湯を注ぎ、すぐにお湯を流します。こうして茶葉を目覚めさせ、洗い流すのです。
次に250mlの熱湯を注ぎ、1~2分蒸らしたら、容器に茶葉を残して、コップやマグカップにお茶を注ぎ入れます。
容器の中の広がった茶葉の上に、ミントの葉、お好みのスパイス(量や割合はお好みで色々お試しください)、角砂糖をお好みの数だけ加えます。コップに注いだお茶を容器に戻します。
ここにさらに250mlの熱湯を注ぎます。直火対応の容器の場合には、火にかけ、このお茶を沸騰させて2分間ほど煮出します。直火非対応の場合には、5~10分ほど置いて蒸らしてもよいでしょう。
モロッコでは、専用の小さなガラス製のグラス(ショットグラスに似たもの)にライムやレモンのスライスを入れて飲みます。この飲み物は北アフリカに住む人々を暑さから守り(現地では冷やして飲みます)、冬の寒い日には私たちを温めてくれる飲み物なのです。