50万トン― これは、ケニアで１年間に生産される紅茶の量です。50万トンというと、大きなアフリカゾウ8万頭分に相当する重量です。この生産量は中国、インドに次ぐ世界第3位で、国の面積と考え合わせると、かなり多いことが分かります。
栄えある第3位
茶の生産地として有名な中国、日本、インドは何世紀にもわたって広大な農園で茶葉を栽培してきましたが、ケニアが茶の栽培を始めたのは比較的最近の1903年のことです。そして、わずか120年の間に素晴らしい発展を遂げたのです。現在では、年間生産量250万トンの中国、150万トンのインドに続き、ケニアは第3位の生産国となっています。スリランカ、インドネシア、日本など、茶の生産で有名な国はありますが、ケニアの生産量には追いついていません。
ケニア紅茶は、コクがありつつもすっきりとした味わい、そして美しく澄んだ色が特徴です。くせが無いので様々なブレンドにも向いています。ケニア紅茶はそのままでも美味しいですが、しばしばインドやセイロンなどの茶葉とブレンドされています。こうすることでメーカーは、ファンが長年慣れ親しんでいるブランドの味を安定して実現することができるのです。
ケニア紅茶の種類
ケニアで生産される紅茶のほとんどは、顆粒状に加工されます。マイルドな渋みがあり、コクがあり、美しく澄んだ色、そして高めのカフェイン含有量が特徴です。ケニア紅茶の魅力を世界に先駆け１番に知った英国の人々は、身体が最もエネルギーを必要とする朝食に好んで飲んでいます。
ケニアでは、本場中国のものより高価で取引きされる手摘みの最高級白茶も、また機械摘みをしてCTC技術による加工をすることで最終価格を極限にまで抑えた普段用の紅茶も製造されています。
ケニア産の紅茶は全ての指標において高い評価を得ています。価格と品質のバランスに関しては、インド紅茶やセイロン紅茶よりはるかに優れているとも言えるでしょう。これは多くの人が驚くことかも知れません。理由は、ケニアの紅茶のほとんどが標高1,500〜2,500メートルで栽培されているためだと専門家は指摘しています。高地で栽培することで、環境にも優しい製品となっています。また、適度な降水量、日照時間の長さ、熱帯の赤い土壌など、ケニアの気候や自然条件が茶栽培に適していることも品質の高さを支えています。その結果、本当に美味しい茶の栽培ができるのです。
ケニア紅茶にまつわる10の興味深い事実
- ケニアで初めて茶の苗木を植えたのは英国人のG.W.L.ケインという人物ですが、当時は観賞用としてでした。
- ケニアで本格的に茶の栽培に取り組んだのは、スコットランド人のアーノルド・バトラーです。彼はもともとアフリカでコーヒーを栽培しようと考えていましたが、上手くいかなかったのです。
- ケニア紅茶は、インドからアフリカに持ち込まれたアッサム種を原料としているため、インド紅茶と似たところがあります。確かにクラシックな味わいはアッサムを思わせます。
- 紅茶はケニアの主要な輸出品であり、国の主な収入源でもあります。
- ケニアでは大企業だけでなく、550もの小規模農家も紅茶栽培に携わっています。
- ケニアの茶農家は、世界でもトップクラスの利益を得ています。
- イギリスで飲まれている紅茶の約50％はケニア産です。
- 主な収穫期は1月から3月、6月から7月です。
- ケニア紅茶には、多種のビタミン、ミネラル、抗酸化物質が含まれていて、フリーラジカルから体を守ります。
このような事実を知れば、いつでもお家にケニア紅茶を常備すべきだということがお分かりいただけることでしょう。また、深くコクのある味わいは、ご両親や年配の方へのプレゼントにも最適です。
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